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乳幼児期の子どもの発達過程
生理的機能の発達過程(解説)

このページでは、乳幼児期の子どもの生理的機能の発達過程について解説いたしております。
0~6歳までの子どもの発達過程を詳しくご紹介しておりますので、現在子育て中の方や、将来子供を授かる予定の方に、是非とも読んでいただきたい内容となっております。
なお、ここでご紹介している発達過程は、あくまでも一般的な発達過程なので、子どもによって個人差があることをご了承くださいませ。 本記事が、皆様の子育てのサポートとなりますことを、心より願っております。

目次

1.脳の発達

乳幼児期の子どもの脳の発達は、非常に急速です。生まれたばかりの赤ちゃんの脳は、成人の脳の約25%の大きさですが、3歳頃には成人の脳の約80%6歳頃には成人の脳の約90%の大きさになります。そのため、特に0~3歳までの時期は、子どもの脳の成長にとって非常に重要な期間であると言えます。

◆脳の発達過程
・0~1歳頃:脳の神経細胞(ニューロン)の数は、新生児の時点で、既にかなり多いです。一方、脳の神経細胞同士が繋がり合う神経結合(シナプス)は、生後数ヶ月頃から、急速に増加します。神経細胞同士がつながり合うことで、脳の機能が徐々に発達し、視覚、聴覚、運動、言語、認知などの能力を急速に身につけていきます。なお、生後8ヶ月頃のシナプスの数が、一生のうちの最大数となり、その後はシナプスの数は減少します。過剰に形成したシナプスから、必要なものは強められて残り、不要なものは除去するためと考えられています。

・1~2歳頃神経細胞同士のつながりが強化され、脳の機能がより精密に働くようになります。言語発達が急速に進み、言葉を理解し、話す能力が向上します。また、知識の蓄積が始まり、新しい情報を吸収し始めます。

・2~3歳頃:脳の前頭前野が発達し、感情の制御や問題解決能力が向上します。また、想像力と創造力が発展し、遊びを通じて自己表現が増えます。なお、前頭前野は、脳の中で最も発達速度が遅く、25歳頃まで、緩やかに発達し続けます。

脳の発達を支える親の関わり方

乳幼児期の子供の脳の発達を支えるためには、親の積極的な関わりがとても重要です。
以下に、子供の脳の発達を促進するために親が出来ることを、いくつかご紹介します。

◆愛情的な関わり
乳幼児期の子どもは、親や、他の養育者との愛情的な関わりによって、安心感と安全感を得られ、脳が成長します。
また、発達心理学の分野においても、3歳までのあいだに特定の養育者との間にアタッチメント(※)が形成出来ていることが極めて重要とされています。
※アタッチメント:子どもと特定の養育者の間に形成される情緒的な結びつきのこと

◆豊かな刺激
乳幼児期の子どもは、色や音、触覚、味覚、嗅覚など、様々な刺激に触れることで、脳が成長します。 この時期に、様々な自然に触れ合うことや、本物の音楽や芸術作品に触れることが大切であると言えます。 そのため、都会にお住まいの方も、時間がある時に、自然豊かな場所へ行って、子供に思う存分自然遊びを楽しんでもらうことは、子どもの脳の発達を促進すると言えます。

◆適度な運動
乳幼児期の子どもは、適度な運動をすることによって、脳の血流を促進し、脳の機能を向上させることが出来ます。運動の内容は、全身を使った粗大運動でも、手指を使った微細運動でも、どちらでも効果がありますが、その両方を生活の中で取り入れると良いでしょう。

◆豊かな食生活
乳幼児期の子どもにとって、豊かな食生活をすることはとても大切です。離乳食が始まってからは、栄養バランスを考えた食生活を心掛けましょう。子どもが欲しがるからと言って、市販の安いスナック菓子やアイスクリームをたくさん食べさせるようなことは、オススメ出来ません。野菜や果物、穀物類、肉類、乳製品などをバランスよく摂取し、子どもの成長と発達に必要な栄養素を摂取するようにしましょう。また、この時期の子どもはまだ食べ物の好き嫌いがはっきりしません。そのため、さまざまな種類の食べ物を食べさせ、子供の好みを広げましょう。ただし、子どもが嫌がる場合は、無理強いはしないようにしましょう。

2.歯の発達

乳幼児期の子どもの歯の発達過程は、一般的に以下の通りです。

乳歯の発達過程
・6~8ヶ月頃:下の前歯が2本生え始める。
・10ヶ月頃 :上の前歯が2本生え始める。
・12ヶ月頃 :上下の前歯が2本増え、上4本、下4本になる。
・1歳6ヶ月頃:第一乳臼歯が生え始める。
・2歳頃   :犬歯が生え始める。
・2~3歳頃 :第二乳臼歯が生え始め、全部で20本になる。
・6歳~   :乳歯が抜け始め、永久歯が生え始める。

ただし、歯の発達は個人差が大きく、早い子もいれば遅い子もいます。歯の発達が遅いからと言って、必ずしも異常があるわけではありません。
乳歯は、通常、20本生えます。乳歯は、永久歯が生えてくるまでの間、食事や発音を助ける役割を果たします。乳歯は、永久歯に比べて小さく、根っこが短いのが特徴です。

歯の発達を支える親の関わり方

乳幼児期の子供の歯の発達を支えるためには、親の積極的な関わりが重要です。
以下に、子どもの歯の発達を促進するために親が出来ることを、いくつかご紹介します。

◆健康的な食生活を推進する
健康的な食生活を送ることは、子どもの歯の発達にとって極めて重要です。市販の安いスナック菓子やアイスクリームをたくさん食べさせると、虫歯の原因になります。そのため、甘いものはなるべく控えて、野菜や果物、穀物類、肉類、乳製品などをバランスよく摂取し、子どもの成長と発達に必要な栄養素を摂取するよう心掛けましょう。

◆歯磨きを習慣化する
乳歯が生え始めると、歯磨きを習慣づけましょう。歯磨きは、歯垢を除去し、虫歯を予防します。歯磨きは、乳歯が生え始める生後6か月頃から始めるのが一般的です。また、歯磨きを楽しい時間にするために、歌を歌ったり、面白い顔をするなど、楽しい要素を取り入れてみてみるのもいいですよ。

◆正しい歯磨きの方法を教える
親が、正しい歯磨きの仕方を子供に教えることも重要です。乳児期は、赤ちゃん用の柔らかい歯ブラシを使用し、力を入れすぎないことが大切です。

◆哺乳瓶の使用に注意する
寝る前に、ミルクやジュース(特にジュース)を飲ませる際は、虫歯の恐れがあるため、哺乳瓶を使わずに飲ませるように心がけましょう。哺乳瓶で甘いものを飲むと、コップやストローで飲んだ時とは比べ物にならないくらい、飲料中の糖分が長時間にわたり口の中に停滞し、歯に触れる時間が長くなることが原因です。何と、乳歯の生え始めから2歳頃までの虫歯の原因のほとんどが、「哺乳瓶虫歯」と呼ばれる、哺乳瓶で甘いものを飲んだことが原因の虫歯です。この時期に虫歯にならないためにも、哺乳瓶の使用には注意しましょう。

3.目の発達

乳幼児期の子どもの目の発達過程は、以下の通りです。

・出生直後:視力は、約0.01~0.02程度で、周囲はぼんやりとしか見えていないと言われています。認識できる色は、黒、白、グレーのみです。
・1~2ヶ月頃:赤、黄、オレンジ、緑の色の区別が、徐々に出来るようになります。
・3ヶ月頃動くものを目で追い始めます。
・4ヶ月頃:青と黄の区別がつくようになり、色覚がほぼ完成します。立体視も徐々に出来るようになります。視力も0.03くらいに発達します。
・6ヶ月頃表情を、徐々に認識できるようになります。視力は、0.04~0.08くらいまで発達します。
・8~10ヶ月頃:ママやパパの動きを真似するなど、視覚と手の動きが協調するようになります。視力は0.1くらいに発達します。
・1歳頃:立体視の能力がさらに発達し、奥行や上下左右、自分と物の距離なども把握できるようになります。視力は0.2くらいまで発達します。
・1歳6ヶ月頃:視力が0.4くらいまで発達します。
・2歳頃:視力が0.5~0.6くらいまで発達します。
・3歳頃:視力が0.8くらいまで発達します。
・4歳~5歳頃:視力が1.0くらいまで発達します。

なお、発達には個人差があることに留意しましょう。発達の速度が遅いからと言って、必ずしも異常があるわけではありません。

目の発達を支える親の関わり方

乳幼児期の子供の目の発達を支えるためには、親が積極的に関わり、適切な環境や刺激を提供することが重要です。以下に、乳児(0~1歳)の目の発達を促進するために親が出来ることを、いくつかご紹介します。

◆視覚的な刺激を提供する
コントラストのある(明暗差が大きい)黒と白の模様や、カラフルなおもちゃを用意することで、赤ちゃんの視覚を刺激することが出来ます。また、適切な距離で物体を動かしたり、揺らしてみせることで、赤ちゃんの視線を引き付けることができます。

◆赤ちゃんに顔を近づけて、目を見て笑顔でコミュニケーションをとる
赤ちゃんは、顔の表情に興味を示し、親の顔をじっと見つめることがあります。親は、積極的に顔を見せて笑顔を向けたり、赤ちゃんの目を見て話しかけたりすることで、赤ちゃんの視覚とコミュニケーションの発達を促進することが出来ます。

◆照明を、適切な明るさに設定する
明るすぎず暗すぎない適切な照明を提供し、赤ちゃんが周囲の物体を見るのに適した環境を整えます。過度な刺激を避け、赤ちゃんの目を集中させることが大切です。

◆外遊びをする
適度な日光浴や屋外での散歩を通じて、自然の光を浴びる機会を提供します。これによって、赤ちゃんは遠くの景色を見る経験を積むことができます。

4.身長・体重

以下に、乳幼児期の子どもの身長・体重の平均値を示します。

(男の子)
・出生時:47.7cm、2.98kg
・生後3ヶ月:61.9cm、6.63kg
・生後6ヶ月:67.9cm、8.01kg
・生後9ヶ月:71.8cm、8.73kg
・1歳0ヶ月:74.9cm、9.28kg
・1歳6ヶ月:80.6cm、10.41kg
・2歳0ヶ月:86.7cm、12.03kg
・3歳0ヶ月:95.1cm、14.10kg
・4歳0ヶ月:102.0cm、15.99kg
・5歳0ヶ月:108.2cm、17.88kg
・6歳0ヶ月:114.9cm、20.05kg

(女の子)
・出生時:48.3cm、2.91kg
・生後3ヶ月:60.6cm、6.16kg
・生後6ヶ月:66.4cm、7.52kg
・生後9ヶ月:70.3cm、8.20kg
・1歳0ヶ月:73.3cm、8.71kg
・1歳6ヶ月:79.2cm、9.79kg
・2歳0ヶ月:85.4cm、11.39kg
・3歳0ヶ月:93.9cm、13.59kg
・4歳0ヶ月:100.9cm、15.65kg
・5歳0ヶ月:107.3cm、17.64kg
・6歳0ヶ月:113.7cm、19.66kg

※平均身長及び平均体重は、平成22年度のものです。
参考資料:厚生労働省ホームページ、「平成22年乳幼児身体発育調査の概況について」

身長や体重の発達速度は、子どもによって個人差があります。身長と体重が平均値よりも低い場合や高い場合でも、必ずしも異常があるわけではありません。平均値はあくまでも目安としてお考えください。

身長・体重の発達を支える親の関わり方

乳幼児期の身長・体重の発達を支えるためには、親の積極的な関わりがとても重要です。
脳の発達を支える親の関わり方とかなりの部分で重複していますが、以下に、子供の身長・体重の発達を促進するために親が出来ることを、いくつかご紹介します。

◆豊かな食生活
豊かな食生活は、子どもの身長・体重の発達を支える上で極めて重要なポイントです。野菜や果物、穀物類、肉類、乳製品などをバランスよく摂取し、子どもの成長と発達に必要な栄養素を摂取するよう心掛けましょう。また、ジャンクフードなど、体に良くないものの摂取はなるべく控えましょう。

◆適度な運動
適度な運動は、子どもの身体の発達にとって重要です。粗大運動・微細運動ともに身体の発達に重要なので、両方をバランス良く提供しましょう。

◆愛情的な関わり
子どもの身体の発達には、親の愛情的な関わりも重要です。親が温かく接し、愛情を注ぐことで、子供の自尊心や安心感が育まれ、健全な成長が促進されます。

5.原始反射

原始反射とは、赤ちゃんに生まれつき備わっている反射のことで、無意識に特定の筋肉などが動くという特徴があります。原始反射は、赤ちゃんが危険から身を守り、運動機能の発達のためにも必要な運動ですが、自らの意思によって動かす随意運動が発達すると、だんだんと原始反射は見られなくなってきます。以下に、原始反射の一部をご紹介いたします。

・モロー反射
赤ちゃんが突然驚いたときに、両手を広げて抱きしめるような反射です。0~4ヶ月頃に強く現れ、その後消失します。

・把握反射
手のひらや足の裏に、人の指やものが触れると、ぎゅっと握りしめる反射です。 手のひらの反射は「手掌把握反射」、足の裏は「足底把握反射」と言います。 手掌把握反射は0~4ヶ月ごろに見られ、その後消失します。足底把握反射は手掌よりも期間が長く、0~9ヶ月頃まで見られます。

・足踏み反射
赤ちゃんの脇を支えて足を床などの平面に触れさせると、左右の足を前後に動かして、まるで歩いているような動作をする反射のことです。0~3ヶ月頃に見られます。
しかし、実際に赤ちゃんが歩行出来るようになるのは生後、1年が経過した頃です。そのため、足踏み反射が消失した後は、おすわりやハイハイなどで、姿勢の保持ができるようになるまでの期間と言えます。

・吸啜反射
赤ちゃんが口を触られたり、口の中に何かが入ったりしたときに、吸い込むような反射です。赤ちゃんが母乳やミルクを飲むために必要な反射であり、0~6歳頃まで見られます。

・バビンスキー反射
足の裏の外側(小指側)をこすると、親指側が広がる反射です。0~2歳頃まで見られます。多くの原始反射が生後6ヶ月以内に消失するのに対し、バビンスキー反射は生後24ヶ月までと、消失するまでの期間が長いのが特徴です。

6.コント

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