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目次
表色系の一つに、日本色彩研究所によって開発された、「PCCS( Practical Color Co-ordinate System )」と呼ばれるものがあります。 日本において最も活用されている表色系はPCCSで、一部のアジア諸国でも、PCCSが幅広く活用されています。 PCCSには、以下のような特徴があります。 ・色相を環状に配置する ・色相を24色で表す(ビビッドトーンの場合) ・明度と彩度を融合した「トーン」という概念を持つ PCCSの特徴の一つ目は、「色相を環状に配置する」です。色相を環状に配置することで、色相同士の相対的な関係性を理解するのに役立ちます。色相環については、以下のページで詳しく解説しています。 ・色相環とは PCCSの特徴の二つ目は、「色相を24色で表す」です。PCCSの色相環は、色相を「赤」「橙」「黄」「緑」「青」「紫」の6色の単一色名を修飾する形で、24色に分類しています。また、色相を、「2:R」「5:O」「8:Y」「12:G」「18:B」「22:P」などのように、色相記号を使って表すことも出来ます。以下に、PCCS色相環の画像を示します。 「14:BG」「15:BG」の青緑と、「17:B」「18:B」の青は、色みは異なりますが、色相名による色名の表示では、これ以上細かく区別することが出来ないため、青緑と青が二つあるので注意しましょう。色相記号を使うことによって、これらを区別することが出来ます。 なお、色相が24色で表示されるのは、ビビッドトーンのみで、それ以外のトーンでは、半分の12色で表されます。後ほど詳しく解説いたします。 色相が24色で表現されるのに対し、明度は「17階調」、彩度は「10階調」で表されます。 明度は、黒が「1.5」で最も低く、白の「9.5」が最大となります。間は、0.5ずつ刻まれます。 彩度は、無彩色が0sで最も低く、ビビッドトーンの9sが最大となります。間は、1sずつ刻まれます。 また、明度と彩度を融合したトーンは、「12諧調」で表されます。 PCCSの特徴の三つ目は、「明度と彩度を融合した『トーン』という概念を持つ」です。トーンという概念を用いることで、色の違いがより分かりやすくなります。他の表色系では、色相と明度、彩度を別々に表したものが多いため、トーンという概念があるのは、PCCSの最大の特徴と言えるでしょう。 PCCSでは、色相を「ヒュー」と表現します。また、色相とトーンによって体系化されているため、PCCSは、「ヒュートーンシステム」と呼ばれることもあります。 PCCSのトーンは、「V(ビビッド)」が最も鮮やかな色で、「V(ビビッド)」に白を混ぜたものが、彩度の高いものから順に、「b(ブライト)」「lt(ライト)」「p(ペール)」です。「V(ビビッド)」に黒を混ぜたものが、彩度の高いものから順に、「dp(ディープ)」「dk(ダーク)」「dkg(ダークグレイッシュ)」です。Vに灰色を混ぜたものが、「s(ストロング)」「sf(ソフト)」「ltg(ライトグレイッシュ)」「d(ダル)」「g(グレイッシュ)」です。 以下に、PCCSのトーンの画像を示します。 横軸に彩度、縦軸に明度をとっており、右にいくほど高彩度で、上にいくほど高明度です。 無彩色の「W(ホワイト)」「ltGy(ライトグレイ)」「mGy(ミディアムグレイ)」「dkGy(ダークグレイ)」「Bk(ブラック)」については、彩度を持たないため、トーンとしてはカウントされません。 また、彩度は各トーンで共通ですが、明度は、各トーンにおいて黄色が最も高く、青、青紫、紫が最も低くなる点に注意しましょう。一部のトーン同士においては、高明度側の青紫よりも低明度側の黄の方が明度が高いです。例えば、b(ブライト)の青紫よりも、s(ストロング)の黄の方が明度が高くなっています。 なお、上記の図では、p(ペール)と、lt(ライト)に、⁺記号を付与しています。p(ペール)とlt(ライト)のトーンのみ、⁺が付くものと付かないものの二種類あるのですが、⁺を付与すると、彩度が1高いという意味になります。すなわち、p(ペール)の彩度は2sですが、p⁺は3s、lt(ライト)の彩度は5sですが、lt⁺は6sです。
PCCSのトーンは、それぞれ心理的なイメージを持っています。そのため、PCCSのトーンから、自分が必要とする色を選択することが出来ます。 以下に、PCCSの各トーンが示す心理的イメージについて紹介します。なお、各トーンにおける色相によっても受ける印象は異なりますので、ご注意ください。 ◆V(ビビッド): ビビッドトーンには、「冴えた」「鮮やかな」「派手な」「目立つ」「生き生きした」「元気」「活力」「刺激的」などのイメージがあります。 ビビットトーンは、各色相において、彩度が最も高い「純色」で構成されています。そのため、色味をとても強く感じることができ、華やかで力強い印象を受けます。 彩度は、最高彩度の9sで、明度はv8が8.0で最も高く、v17~v23が3.5と最も低いです。色相による明度差が大きいのもビビッドトーンの特徴であると言えます。 ◆b(ブライト): ブライトトーンには、「明るい」「健康的な」「陽気な」「華やかな」「ポジティブ」「活力」「爽やか」「元気」「軽快」などのイメージがあります。 ブライトトーンは、純色に、わずかに白を混ぜた「明清色」で構成されています。そのため、ビビットトーンと比べると、明るく柔らかい印象を受けます。ただし、彩度は8sと高彩度なので、純色のような、華やかで力強い印象も併せ持っています。 明度は、b8が8.5と最も高く、b18~b22が5.0と最も低いです。 ◆s(ストロング): ストロングトーンには、「強い」「くどい」「動的な」「情熱的な」「活発」「元気」「勇気」「自信」などのイメージがあります。 ストロングトーンは、純色に、わずかにグレーを混ぜた「濁色」で構成されています。そのため、ビビットトーンと比べると、穏やかさや控えめな印象を受けます。ただし、彩度は8sと高彩度なので、純色のような、華やかで力強い印象も併せ持っています。 明度は、s8が7.5と最も高く、s18~s22が3.5と最も低いです。 ◆dp(ディープ): ディープトーンには、「深い」「濃い」「充実した」「伝統的な」「和風の」「落ち着き」「高級感」「重厚」などのイメージがあります。 ディープトーンは、純色に、わずかに黒を混ぜた「暗清色」で構成されています。そのため、ビビットトーンと比べると、落ち着いた印象や重厚な印象を受けます。ただし、彩度は8sと高彩度なので、純色のような、華やかで力強い印象も併せ持っています。 明度は、dp8が6.0と最も高く、dp18~dp22が2.5と最も低いです。 ◆lt⁺(ライト): ライトトーンには、「浅い」「澄んだ」「子供っぽい」「さわやかな」「楽しい」「明るい」「清潔」「やさしい」「癒し」「フレンドリー」などのイメージがあります。 ライトトーンは、純色に、白を混ぜた「明清色」で構成されています。同じ明清色であるブライトトーンよりも多くの白を混ぜているため、ブライトトーンよりも、さらに明るく柔らかい印象を受けます。 彩度は中彩度の6sで、ある程度色味を感じやすいです。 明度は、lt8⁺が8.5と最も高く、lt18⁺~lt22⁺が6.0と最も低いです。最も明度の低いlt18⁺~lt22⁺でも、明度が6.0あるので、ライトトーンは、トーン全体を通して、高明度であることが特徴であると言えます。 ◆sf(ソフト): ソフトトーンには、「柔らかな」「穏やかな」「ぼんやりした」「安らぎ」「やさしい」「フレンドリー」「エレガント」などのイメージがあります。 ソフトトーンは、純色に、明るい灰色を混ぜた「濁色」で構成されています。同じ濁色であるストロングトーンよりも多くのグレーを混ぜているため、ストロングトーンよりも、さらに穏やかさや控えめな印象を受けます。また、彩度が同じであるダルトーンと比べると、明度が高い分、明るさや柔らかい印象を受けます。 彩度は5sと中彩度であり、ある程度の色味を感じることが出来ます。 明度は、sf8が7.5と最も高く、sf18~dp22が5.0と最も低いです。 ◆d(ダル): ダルトーンには、「鈍い」「くすんだ」「中間色的」「落ち着いた」「渋い」「穏やかな」などのイメージがあります。 ダルトーンは、純色に、暗い灰色を混ぜた「濁色」で構成されています。同じ濁色であるストロングトーンよりも多くのグレーを混ぜているため、ストロングトーンよりも、さらに穏やかさや控えめな印象を受けます。また、彩度が同じであるソフトトーンと比べると、明度が抑えられている分、より穏やかさや落ち着き、重厚感などを感じることが出来ます。 彩度は5sと中彩度であり、ある程度の色味を感じることが出来ます。 明度は、d8が6.0と最も高く、d18~d22が3.5と最も低いです。 ◆dk(ダーク): ダークトーンには、「暗い」「大人っぽい」「丈夫な」「円熟した」「落ち着いた」「高級感」「重厚」などのイメージがあります。 ダークトーンは、純色に、黒を混ぜた「暗清色」で構成されています。同じ暗清色であるディープトーンよりも多くの黒を混ぜているため、ディープトーンよりも、さらに落ち着いた印象や重厚な印象を受けます。 彩度は5sと中彩度であり、ある程度の色味を感じることが出来ます。 明度は、dk8が4.0と最も高く、dk18~dp22が2.0と最も低いです。最も明度が高いdk8でも4.0の明度であるため、ダークトーンは、全体を通して低明度のトーンであると言えます。 ◆p⁺(ペール): ペールトーンには、「薄い」「軽い」「弱い」「あっさりした」「淡い」「女性的」「若々しい」「優しい」「かわいい」「清潔」「癒し」「透明感」「新鮮」「エレガント」などのイメージがあります。 ペールトーンは、純色に、白をたくさん混ぜた「明清色」で構成されています。同じ明清色であるライトトーンよりも多くの白を混ぜているため、ライトトーンよりも、さらに明るく柔らかい印象を受けます。なお、ペールトーンのことを、「パステルカラー」と呼ぶこともあります。 彩度は3sと低彩度であるため、若干色味は感じにくいです。 明度は、p8⁺が9.0と最も高く、p18⁺~p22⁺が7.5と最も低いです。最も明度の低いp18⁺~p22⁺でも、明度が7.5と高明度であるため、ペールトーンは、全体を通して高明度のトーンであると言えます。 ◆ltg(ライトグレイッシュ): ライトグレイッシュトーンには、「落ち着いた」「渋い」「おとなしい」「清潔」「やさしい」「穏やかな」「エレガント」などのイメージがあります。 ライトグレイッシュトーンは、純色に、たくさんの明るい灰色を混ぜた「濁色」で構成されています。同じ濁色であるソフトトーンよりも多くのグレーを混ぜているため、ソフトトーンよりも、さらに穏やかさや控えめな印象を受けます。彩度が同じグレイッシュトーンと比べると、全体的に明度が高いため、ライトグレイッシュトーンは、中間色でありながらも、明清色のような明るく柔らかな印象を併せ持っています。 彩度は2sと低彩度のため、色味は感じにくく、地味な印象を受けます。 明度は、ltg6~ltg10が7.5と最も高く、ltg18~ltg22が6.5と最も低いです。トーン全体を通じて明度差が小さく、全体的に中明度と高明度の間くらいの明るさであることが特徴と言えます。 ◆g(グレイッシュ): グレイッシュトーンには、「濁った」「地味な」「落ち着いた」「渋い」「穏やかな」「レトロな」「スモーキーな」などのイメージがあります。 グレイッシュトーンは、純色に、たくさんの暗い灰色を混ぜた「濁色」で構成されています。同じ濁色であるダルトーンよりも多くのグレーを混ぜているため、ダルトーンよりも、さらに穏やかさや控えめな印象を受けます。彩度が同じライトグレイッシュトーンと比べると、全体的に明度が低いため、グレイッシュトーンは、中間色でありながらも、暗清色のような落ち着いた印象や重厚な印象を併せ持っています。 彩度は2sと低彩度のため、色味は感じにくく、地味な印象を受けます。 明度は、g6~g10が4.5と最も高く、g18~g22が3.5と最も低いです。 ◆dkg(ダークグレイッシュ): ダークグレイッシュトーンには、「陰気な」「重い」「固い」「男性的」「落ち着いた」「高級感」「重厚」などのイメージがあります。 ダークグレイッシュトーンは、純色に、たくさんの黒を混ぜた「暗清色」で構成されています。同じ暗清色であるダークトーンよりも多くの黒を混ぜているため、ダークトーンよりも、さらに落ち着いた印象や重厚な印象を受けます。 彩度は2sと低彩度のため、色味は感じにくいです。 明度は、dkg6~dkg10が2.5と最も高く、dkg18~dkg22が1.5と最も低いです。全体的にかなりの低明度であり、彩度も低いため、色相による色味の差が最も感じにくいトーンであると言えます。
PCCSは、配色において、幅広く活用されています。 例えば、PCCSのトーンを使った配色には、同じ色相でまとめて、トーンで変化をつける「トーンオントーン配色」、3色以上の配色において、色相を自由に選択しながらも、トーンを統一することで調和をとる「ドミナントトーン配色」、中明度、中~低彩度の色(sf,d,ltg,g)だけを組み合わせた「トーナル配色」、色相・トーンともに同一か近似の「カマイユ配色」、カマイユ配色よりも少し色相やトーンに差をつけた、「フォカマイユ配色」など、様々なものがあります。このように、配色を考える際にも、トーンという概念は、非常に有効です。なお、配色に関する詳しい解説は、別のページで行う予定です。
コントは、以下をご参照ください。 ・PCCSとは① ・PCCSとは② ・ビビッドトーン ・ブライトトーン ・ストロングトーン ・ディープトーン ・ライトトーン ・ソフトトーン ・ダルトーン ・ダークトーン ・ペールトーン ・ライトグレイッシュトーン ・グレイッシュトーン ・ダークグレイッシュトーン