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目次
光とは、電磁波の一種です。電磁波とは、電場と磁場の振動によって伝わる波のことです。 光には、以下の三つの基本的な性質があります。 ①直進性 ②反射性 ③屈折性 一つ目は、「直進性」です。光は、媒質が均一な場合、真っ直ぐに進む性質があります。光が直進性を持っているため、私たちは遠くの物体を見ることができます。 二つ目は、「反射性」です。光が物体に当たると、その物体の表面から跳ね返る性質があります。この性質は、鏡や自動車のヘッドライトなどの反射を利用した製品に応用されています。 三つ目は、「屈折性」です。光が媒質の境界面を通過するときに、進む方向が曲がる性質があります。この性質は、レンズやプリズムなどの屈折を利用した製品に応用されています。 その他にも、光には、「吸収」「散乱」「干渉」「分散」など、たくさんの性質がありますので、後ほど解説します。 また、光は、上記のような「波」としての性質だけではなく、「粒」としての性質も持っています。波としての光の性質のことを「波動性」、粒としての光の性質のことを「粒子性」と呼びます。 光は、粒としてみると、「光子」と呼ばれる粒の集まりです。光子は、質量がなく、電荷も持たない粒です。光子のエネルギーは、光の振動数に比例し、波長に反比例します。以下に、光子のエネルギーの計算式を示します。 E=hv=hc/λ(E:光子のエネルギー、h:プランク定数、v:光の振動数、c:光の速度、λ:波長) なお、プランク定数とは、量子力学における重要な基本定数です。2019年9月に、プランク定数は定義定数となり、正確には、6.62607015 × 10^-34 J・s と定義されました。 光は、粒子としての性質も持っていることから、以下のような性質もあります。 ・光電効果 ・コンプトン散乱 「光電効果」とは、光を物質に照射すると、物質から電子が放出される現象です。光電効果の説明には、光が粒子であるという考えが必要となります。光子は、質量を持たない粒子であり、エネルギーと運動量を持っています。光電効果は、光子が物質の電子にエネルギーを与え、電子が物質から放出されると説明出来ます。 「コンプトン散乱」とは、光子が物質の原子や分子と衝突する際に、その運動量が変化し、波長が変化する現象です。コンプトン散乱の説明には、光子が粒子であるという考えが必要となります。コンプトン散乱では、光子が物質の電子と衝突すると、その運動量が変化します。運動量が変化した光子は、入射方向とは異なる方向に散乱されます。 また、「レーザー」と呼ばれる、光を増幅する装置は、光の粒子としての性質を元に開発された画期的な技術で、さまざまな分野で応用されており、私たちの生活をより豊かにしています。 「レーザー」では、光子が相互作用して、光のエネルギーを増幅する原理が利用されています。
「電磁波」とは、電場と磁場が互いに垂直に振動し、伝搬する波のことです。電磁波は、光やラジオ波、マイクロ波、赤外線、紫外線、X線、ガンマ線など、さまざまな波長の波を総称します。 電磁波の「波長」とは、電磁波を波形に表したときに、発生した波が1回振動したときの距離を指します。 電磁波の「周波数」とは、電磁波を波形に表したときに、発生した波が1秒間に何回振動するかを示す値のことです。電磁波の波長は、電磁波の周波数に反比例します。 電磁波の「波長」は、その性質や用途に大きく影響します。 波長が長い電磁波は、進行方向に障害物があっても波が伝わりやすいという性質があります。そのため、テレビ・ラジオなどの無線通信や、レーダーなどの探知・測定に用いられています。 波長が短い電磁波は、物質との相互作用が強いという性質があります。そのため、レントゲンやCTなどの医療用画像診断や、半導体製造などの工業用途に用いられています。 また、波長が短いほどエネルギーが強く、波長が長いほどエネルギーが弱いという特徴があります。 電磁波は、その波長から、以下のように分類されます。 ガンマ線 : 0.01nm以下 X線 : 0.01nm~10nm 紫外線 : 10nm~380nm 可視光線 : 380nm~780nm 赤外線 : 780nm~1mm マイクロ波 : 1mm~1m テレビ波・ラジオ波: 1m以上 「ガンマ線」や「X線」は、医療や工業製品の品質管理などに利用されています。 「紫外線」は、殺菌・消毒や、ビタミンDの合成などに利用されています。 「赤外線」は、赤外線ヒーターや赤外線ストーブ、リモコン、カメラなどに利用されています。 「マイクロ波」は、携帯電話等の無線通信や、気象や航空機管制用のレーダー、GPSなどの測位システム、電子レンジなどに利用されています。 このように、電磁波は、私たちが生きていく上で必要不可欠なものであると言えます。
電磁波の中で、人間の目で認識できるもののことを、「可視光線」と呼びます。可視光線は、波長が約380nm~780nmのものを指します。 可視光線は、低波長のものから順に、「紫」「藍」「青」「緑」「黄」「橙」「赤」です。具体的には、以下のようになります。 380nm~430nm:「紫」 430nm~460nm:「藍」 460nm~500nm:「青」 500nm~570nm:「緑」 570nm~590nm:「黄」 590nm~610nm:「橙」 610nm~780nm:「赤」 ほとんどの電磁波は目でみることは出来ませんが、唯一可視光線だけは、目で見ることが出来るということを認識しておきましょう。
太陽光は、様々な波長の光が含まれる「複合光」です。 太陽光には、「ガンマ線」「X線」「紫外線」「可視光線」「赤外線」が含まれています。ただし、ガンマ線とX線は、太陽の内部で生成されますが、大気中のガスや塵によってほぼ完全に吸収されるため、地球に届く太陽光にはほとんど含まれません。 そのため、地球に届く太陽光は、「紫外線」「可視光線」「赤外線」の三種類です。 割合としては、「可視光線」が約52%と最も多く、「赤外線」が約42%、「紫外線」は約6%です。 可視光線の中で、複数の波長がほぼ均一に集まると、「白色光」と呼ばれる無色透明の光となります(白色ではなく、無色透明なので注意しましょう)。昼間の太陽光は、380nm~780nmの波長がほぼ均一に含まれている、「白色光」です。 ただし、夕方になると太陽光が地球の大気を通過する距離が長くなります。波長の短い青系の色ほど、大気中の空気分子や塵粒子などの小さな粒子によって散乱されやすくあります。そのため、夕日は、波長が長く散乱されにくい赤系の色の割合が多くなります。なお、夕日は赤く見えるので、夕方の太陽光は「白色光」ではありません。
複合光を、各波長の単色光に分けることを、「分光」と呼びます。分光をする際に、最もよく使われる機器が「プリズム」です。「プリズム」は、光の屈折率が波長によって異なるという性質を利用した光学素子であり、ガラス、水晶などの透明な物質で出来た多面体です。三角柱の形状をしたものが最も一般的です。 プリズムに光を当てると、波長の短い光ほど屈折率が大きく、波長の長い光ほど屈折角が小さくなります。そのため、プリズムを通過した光は、波長ごとに分解されます。なお、プリズムを通すことによって得られる色を、波長の順番に並べたものを「スペクトル」といいます。太陽光のスペクトルは、綺麗な虹色の帯になります。 また、分光した際に得られた光が、どの波長がどれくらいの割合で含まれているのかを表したものを「分光分布」といいます。分光分布を示した図からは、昼間の太陽光は全ての波長がほぼ均一になり、夕方の太陽光は、波長の長い光がやや多くなるということが読み取れます。
光は、物体に当たると、「反射」「透過」「吸収」などの振る舞いをします。 物体に光が反射して見える色のことを「表面色」、物体が光を透過することによって見える色を「透過色」と呼び、表面色と透過色の二つを合わせたものを、「物体色」と呼びます。なお、物体に吸収された光は、色として認知出来ません。 例えば、りんごが赤く見えるのは、りんごの表面にある「アントシアニン」という色素が、高波長の光の反射率が高く(=吸収率が低い)、短波長や中波長の光の反射率が低い(=吸収率が高い)ためです。 また、ワイングラスに入った赤ワインがワインレッドに見えるのは、赤ワインが、高波長の光の透過率が高く(=吸収率が低い)、短波長や中波長の光の透過率が低い(=吸収率が高い)ためです。なお、赤ワインの中でも、高波長の光をより多く透過するものほど、より鮮やかな赤色に見えます。一方、高波長の光の透過率がそこまで高くないものは、くすんだ赤色に見えます。
光が物体に当たり、その光が跳ね返ることを反射といいます。光の反射はおおきく「正反射」と「拡散反射」に分類されます。 「正反射」とは、入射角と反射角が等しい反射のことです。正反射は、鏡や水面など、表面に凸凹のない、平滑な表面で起こります。 正反射は、日常生活のさまざまな場面で観察することができます。以下に例を挙げます。 ・鏡に映る自分 ・水面に映る景色 ・太陽光が道路や水面に反射してキラキラと輝く また、以下のような産業分野でも利用されています。 ・鏡やレンズなどの反射光学機器 ・光ファイバーなどの通信技術 一方、「拡散反射」とは、入射角に関係なく、さまざまな方向に反射することです。拡散反射は、平滑でない表面で起こります。 拡散反射は、日常生活のさまざまな場面で観察することができます。以下に例を挙げます。 ・白い壁や紙に当たった光が、さまざまな方向に広がる ・空に舞う雪や粉塵が、太陽光を拡散させて、白く輝く ・道路標識は、夜間に車のヘッドライトの光を反射してドライバーに見やすくしている ・りんごやみかんなどの果物は、表面がでこぼこしているため、光を拡散反射してつや消しのように見える また、以下のような産業分野でも利用されています。 ・塗料やコーティングなどの表面処理技術 ・プロジェクションスクリーンや、液晶ディスプレイなどのディスプレイ
物体が、光のどの波長を、どれくらいの割合で反射するのかを示したものを、「分光反射率」といいます。また、分光反射率をグラフで示したもののことを、「分光反射率曲線」といいます。 分光反射率曲線は、光の「波長」(横軸)と、その波長の光の「反射率」(縦軸)の関係を表したグラフです。このグラフから、物体が光のどの波長を反射し、どの波長を吸収しているかを判断することができます。 分光反射率曲線は、0%から100%の範囲で表され、0%はすべての光が吸収され、100%はすべての光が反射されることを表します。また、30%のものは、30%の光が反射され、70%の光が吸収されることを表します。 分光反射率曲線を見ることで、物体がどのような色に見えるのかを判断することが出来ます。 例えば、低波長の反射率が高く、中波長、高波長の反射率が低ければ、物体は青色に見えます。また、全波長の反射率が高ければ白色に見え、全波長の反射率が低ければ黒色に見えます。全波長の反射率が中間くらいなら、灰色に見えます。 以下のWebサイトで、分光反射率曲線のグラフを確認できるので、ご参照ください。 https://www.cocolor.biz/colorlesson/8750/
物体に当たった光が、物体を通過して反対側に出ることを「透過」といいます。光の透過は大きく「正透過」と「拡散透過」に分類されます。 「正透過」とは、入射した光が、物体内部で散乱することなく、直進して反対側に出ることを指します。正透過は、物体の表面が滑らかで、物質の屈折率が一定である場合に起こります。例えば、ガラスや水などの透明な物体は、正透過を起こします。 「拡散透過」とは、入射した光が、物体内部で散乱されて、さまざまな方向に出てることを指します。拡散透過は、物体の表面が凸凹していたり、物質の屈折率が一定でなかったりする場合に起こります。例えば、曇りガラスや紙などの不透明な物体は、拡散透過を起こします。 また、「正透過」と「拡散透過」の両方が起こることもあります。例えば、「ステンドグラス」は、ガラスを色とりどりに着色し、カットして組み合わせた装飾品です。ステンドグラスのガラスは、一般的なガラスと比べて表面が粗いため、拡散透過が起こりやすいです。ただし、表面が平坦な部分に関しては、正透過が起こります。このように、ステンドグラスは、光の正透過と拡散透過の両方によって、その美しい色彩と光り方を生み出しています。
物体に入射した光が、どれくらいの割合で透過されたかを、波長別に示したものを「分光透過率」といいます。また、分光透過率をグラフで示したものを、「分光透過率曲線」といいます。 分光透過率曲線の横軸は波長で、縦軸は透過率です。透過率は、100%が完全に透過し、0%が完全に吸収されたことを意味します。 分光透過率曲線は、物質の色や性質を調べるために用いられます。以下に、例を挙げます。 ・ガラスの分光透過率は、可視光線の全波長域で1に近いため、ガラスは透明に見えます。 ・水の分光透過率曲線は、可視光線の短波長の光を多く透過し、中波長や長波長の光を多く吸収するため、水は青く見えます。 ・日焼け止めの分光透過率曲線は、紫外線の波長を吸収するため、日焼け止めを塗ると紫外線を防ぐことができます。 ・サングラスの分光透過率曲線は、製品によって大きく異なります。紫外線カットを重視したものは、紫外線領域の透過率が非常に低くなっています。また、特定の色調を強調するものは、その色に対応する波長域の透過率が高くなっています。
光には、異なる物質の境界面で曲がる性質があります。このような性質のことを、光の「屈折」と呼びます。 光は、空気や水などの物質の内部を波として伝わります。物質の内部では、光は波長と速度が一定になります。しかし、異なる物質の境界面では、波長と速度が変化するため、光の進む方向が曲がるのです。 光の屈折の程度は、「入射角」と「屈折率」によって決まります。「入射角」とは、光が境界面に当たる角度です。「屈折率」とは、ある物質中の光の速度と真空中の光の速度の比率です。屈折率は、光の波長ごとに異なり、長波長の光は屈折率が小さく(=曲がりにくい)、短波長の光は屈折率が大きい(=曲がりやすい)です。 入射角と屈折率の関係性は、「スネルの法則」によって表されます。 ・n1 * sinθ1 = n2 * sinθ2 (n1:入射側の媒質の屈折率, n2:透過側の媒質の屈折率, θ1:入射角, θ2:屈折角) なお、光が屈折率の大きい物質から小さい物質に向かって入射する時に、入射角が一定を超えると、光は屈折せず、「全反射」と呼ばれる現象が起こります。「全反射」は、入射角が、臨界角(屈折角が90°になる入射角)を超えた時に起こります。 光の屈折は、私たちの日常生活でも様々な場面で観察することができます。例えば、水中にある物体は、歪んで見えることがあります。これは、水面で屈折が生じているためです。 眼鏡のレンズも、光の屈折を利用しています。眼鏡をかけることで、屈折により光が焦点で収束し、視力が改善されます。 また、ダイヤモンドの輝きも、光の屈折が影響しています。
光は、複数の波の重ね合わせによって新しい波形が出来ることがあります。このような光の性質のことを、「干渉」と呼びます。干渉は、同じ波源から出た波や、同じもしくは近い周波数を持つ波のときに顕著に現れます。 光の干渉には、二つの基本的なパターンがあります。 ・強め合い 同じ波長の波が、位相が同じ状態で重なり合うと、波の振幅が大きくなり、強め合います。 なお、干渉による光の強め合いのことを、増加的干渉、もしくは建設的干渉とも呼びます。 ・弱め合い 同じ波長の波が、位相が逆の状態で重なり合うと、波の振幅が小さくなり、弱め合います。 なお、干渉による光の弱め合いのことを、減殺的干渉もしくは相殺的干渉とも呼びます。 光の干渉は、私たちの日常生活でも様々な場面で観測することが出来ます。 例えば、シャボン玉の色は、光の干渉によって起こります。シャボン玉の膜は非常に薄いため、光は膜の内部で反射を繰り返します。このとき、光の干渉によって波が強め合ったり弱め合ったりされるため、シャボン玉は様々な色に見えます。 CDやDVDの輝きも、光の干渉によって起こります。CDやDVDの表面には、非常に小さな凹凸があります。この凹凸によって、反射した光が互いに干渉しあい、虹色に見えます。 パソコンの液晶などに付ける反射防止フィルムも、光の干渉を利用しています。反射防止フィルムには、非常に薄い複数の層がコーティングされています。これらの層は、光の波長よりも薄い厚さに設計されており、光の干渉を利用して反射光を打ち消し合うように働きます。具体的には、フィルムの表面と裏面で反射した光が干渉を起こし、特定の波長の光が打ち消し合います。これにより、反射光が減少して画面が見やすくなるのです。
光の回折とは、光が障害物にぶつかったとき、その障害物の背後や側面などに回り込む現象です。 光の回折は、光が波の性質を持つため起こります。波は、障害物にぶつかったとき、その障害物を回り込むように伝播します。 光の回折は、以下の2種類に分けられます。 ・フレネル回折 フレネル回折とは、障害物と観測点の距離が有限である場合に起こる回折です。フレネル回折は、光路差を考慮して計算されます。 ・フラウンホーファー回折 フラウンホーファー回折とは、障害物と観測点の距離が無限遠である場合に起こる回折です。フラウンホーファー回折は、光路差が無限小であるとして計算されます。 光の回折は、日常生活においても、様々な場面で観測することが出来ます。 例えば、光が細い隙間や穴を通過すると、その先で広がることがあります。 また、レーダー波は、障害物を越えてその背後の物体を検知できることがあります。 ラジオ波も、建物や山などの障害物に遮られても、ある程度は回折して届く性質があるため、山の影になった場所でもラジオを聴くことが出来ることがあります。
光を物質に入射させた時、これを吸収すると同時に光を四方八方に放出する現象が観測されることがあります。このような現象のことを、光の「散乱」といいます。 光の散乱は、光の波長と物質の粒子の大きさによって、大きく分けて2つの種類に分けられます。 ・レイリー散乱 レイリー散乱は、光の波長が物質の粒子の大きさよりもはるかに小さい場合に起こる散乱です。レイリー散乱の強度は、光の波長に強く依存しており、特に短波長の光がより強く散乱されます。空が青く見えるのは、空気中の窒素や酸素などの分子が、太陽光をレイリー散乱するためです。太陽光は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色の複色光ですが、短波長の光ほどレイリー散乱されるため、空は青く見えるのです。 ・ミー散乱 ミー散乱は、光の波長が物質の粒子の大きさと同程度またはそれよりも大きな場合に起こる散乱です。ミー散乱は光の波長にあまり依存せず、広い範囲の波長で散乱が見られます。 光の散乱は、自然界の様々な現象に関係しています。例えば、以下のようなものが挙げられます。 ・空の青色 空が青いのは、空気中の窒素や酸素などの分子が、太陽光をレイリー散乱するためです。太陽光は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色の複色光ですが、レイリー散乱では、波長が短い光ほど散乱されやすいという特徴があるため、散乱された青い光が私たちの目に届き、空は青く見えます。 ・夕焼けの赤色 夕焼けの赤色も、レイリー散乱によって説明されます。夕方になると、太陽が地平線近くに移動し、太陽光が地球の大気を通過する距離が長くなります。このとき、レイリー散乱によって、波長が短い光ほど散乱されやすいため、夕焼けは赤色に見えます。 なお、空の青色と夕焼けの赤色の違いは、太陽が大気を通る距離の差によって説明されます。夕方、太陽が地平線近くに位置する時、太陽光が大気中を移動する距離が長くなります。すると、散乱された青い光は、私たちの目に届く前にほとんど見えなくなるため、夕焼けは赤く見えます。 ・雲の白さ 雲の白さは、ミー散乱によって説明されます。雲は、水滴や氷の粒子が集合体であり、その粒子径は光の波長と同程度またはそれより大きいため、すべての波長の光が同じように散乱されます。そのため、雲は白く見えるのです。
コントは、以下をご参照ください。 ・光の性質① ・光の性質② ・光の性質③ ・電磁波とは① ・電磁波とは② ・可視光線とは ・太陽光とは ・分光とスペクトル ・物体色 ・光の反射① ・光の反射② ・分光反射率曲線 ・光の透過 ・分光透過率曲線 ・光の屈折① ・光の屈折② ・光の干渉① ・光の干渉② ・光の回折 ・光の散乱① ・光の散乱②