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目次
人間には、完了した課題よりも完了していない課題の方が記憶に残りやすい傾向があります。このような心理傾向の事を、「ツァイガルニク効果」といいます。 ツァイガルニク効果は、1927年にソビエトの心理学者、ブリューマ・ツァイガルニク氏によって発見されました。ツァイガルニク氏は、被験者にいくつかのタスクを実行してもらい、途中で中断させたところ、被験者は中断されたタスクの方が完了したタスクよりもよく覚えていたのです。 ツァイガルニク効果は、私たちの日常生活でもよく見られます。例えば、テストで解けなかった問題は、解けた問題よりもよく覚えていたりします。また、仕事で途中で中断した作業は、完了した作業よりもよく覚えていたりします。 ツァイガルニク効果は、記憶の仕組みを理解する上で重要な概念です。ツァイガルニク効果を理解することで、自分の記憶をより効果的に管理することができるのです。
ツァイガルニク効果は、様々な場面で活用出来ます。以下に、例を挙げます。 ①重要な仕事や、しっかりとアイデアを練りたい仕事を、中途半端な状態で終えて帰宅する ②勉強を、敢えてキリの悪いところで終わらせる ③研修やセミナーなどで、キリの悪いところで休憩時間にする ④広告を、続きが気になるような情報や物語にする 一つ目は、「重要な仕事や、しっかりとアイデアを練りたい仕事を、中途半端な状態で終えて帰宅する」です。仕事を中途半端な状態で終えて帰宅すると、そのことが家でもずっと気になって、良いアイデアが思い浮かぶ可能性があります。また、仕事への関心が持続した状態で翌日の仕事に取り掛かることが出来るため、翌日の仕事の作業効率も向上します。ただし、些細な仕事を途中で終わらせて帰った場合は、家に帰ってもそのことが気になり、認知資源を無駄遣いしてしまう可能性があります。そのため、些細な仕事に関しては、キリのいいところまで終わらせた方が良いです。 二つ目は、「勉強を、敢えてキリの悪いところで終わらせる」です。新しく学びたい項目がある場合、敢えてキリの悪いところで学習を中断することで、その項目を鮮明に記憶に残すことが出来ます。 三つ目は、「研修やセミナーなどで、キリの悪いところで休憩時間にする」です。研修やセミナーなどでは、途中で10分休憩や、昼休みに50分休憩などがあると思いますが、敢えてキリの悪いところで休憩を取ることで、研修やセミナーの内容をより記憶に残しやすくなります。また、休憩後の参加者の意欲も、高い状態から再開することが出来ます。研修やセミナーが二日に渡る場合は、一日目をキリの悪いところで終わらせることも有効です。 四つ目は、「広告を、続きが気になるような情報や物語にする」です。紙の広告媒体に、続きが気になるような情報や物語を載せた後、「続きはWebで!」などと書かれていると、集客に繋がりやすいです。また、Web広告の場合も、続きが気になるような情報や物語を載せると、リンク先をクリックしてもらいやすくなります。 このように、ツァイガルニク効果は、様々な場面において活用できる上に、活用するためのハードルもかなり低いので、是非とも実生活で取り入れてみてはいかがでしょうか。
コントは、以下をご参照ください。 ・コント(ツァイガルニク効果)